麻疹に関する緊急情報

国内で海外からの帰国者、来訪者の麻疹の発症および国内2次発症者が出ております。

沖縄をはじめ東京、愛知、埼玉、茨城、神奈川、山梨、静岡、大阪、山口、福岡で患者さんが確認されております。

既に男性52人、女性25人、年齢中央値32歳(0-55歳)です。(IDWR2018年15号、麻疹、2018年1-15週、国立感染症研究所)

ゴールデンウイーク明けに更なる流行が懸念されます。病児保育施設では以下の点にご留意ください。

  1. 発熱、感冒様症状がある病児では麻疹やMRワクチンの接種歴を聴取し麻疹の可能性を除外し、さらに周囲に麻疹様症状の方がいらっしゃるかどうか確かめてください。海外渡航歴や、海外渡航者との接触を確認してください。
  2. 麻疹罹患病児、麻疹疑い病児のお預かりは麻疹が強力な空気感染力を持つため、他の患児とは別の専用出入り口があり、陰圧、へパフィルターを用いた空気清浄機が備わった隔離室がある施設だけが可能です。一般的にはお預かりできません。
  3. 麻疹患児に対応、保育する保育士、看護師、医師は麻疹抗体価陽性者に限ります。(EIAIgG値では4以上で陽性ですが、対応する方は16以上が望ましいとされています。)
    1歳以上でMRワクチンの接種を受けていない病児のお預かりはご遠慮していただくか、お預かりする場合は感染に十分な配慮が必要です。
  4. 保護者、家族の麻疹罹患歴、麻疹及びMRワクチン接種歴の聴取を行い、罹患歴、接種歴がない方、学童以上では1回のみの接種歴の方にはワクチン接種を促してください。

注:1歳未満児でも感染のリスクが高い時はそのリスクを低下させるために緊急避難的に予防接種を打つことができます。月齢は6か月以上です。接種希望者には小児科医に相談することをお勧めください。なお1歳未満でMRを接種しても1歳になったら初回としてMRワクチンを接種してください。

全国病児保育協議会会長 大川洋二
感染対策委員会 委員長 佐藤勇